【人事労務担当者向け】こども・子育て支援金制度とは?私たちの暮らしと未来を支える新しい仕組み
- 2月26日
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1.はじめに
近年、少子化や人口減少の進行が加速していることを受け、政府は令和5年12月に「こども未来戦略『加速化プラン』」を策定しました。
このプランは、若い世代が希望通りに結婚し、安心して子育てができる社会、そしてすべてのこどもたちが笑顔で暮らせる社会の実現を目指しています。
本記事では、この「加速化プラン」の柱となる施策と、それを支える財源である「子ども・子育て支援金制度」について、わかりやすく解説します。
2.「加速化プラン」で拡充される主な支援内容
「加速化プラン」では、ライフステージに応じた切れ目ない支援が展開されます。主なポイントは以下の2点です。
全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充
①児童手当の抜本的拡充(令和6年10月~):所得制限が撤廃され、支給期間が高校生年代まで延長されました。また、第3子以降は月3万円に増額されます。
➁妊婦のための支援給付の創設(令和7年4月~):伴走型相談支援と合わせ、妊娠届出時と妊娠後期に各5万円、妊娠の経済的支援を行う「妊婦のための支援給付」が制度化されます。
③こども誰でも通園制度の導入(令和8年4月~):親の就労状況に関わらず、時間単位で保育所等を利用できる仕組みが全国で始まります。
共働き・共育ての推進
①出生後休業支援給付の創設(令和7年4月~):両親がともに14日以上の育休を取得した場合、最大28日間、手取り10割相当が支給されます。
➁育児時短就業給付の創設(令和7年4月~):2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をする際、賃金の10%が支給されます。
3.「子ども・子育て支援金制度」の仕組み
これらの手厚い支援を支える財源の一部として、令和8年度から「子ども・子育て支援金制度」が導入されます。
支援金は令和8年4月分から、医療保険(被用者保険、国民健康保険、後期高齢者医療制度)の保険料とあわせて徴収されます。
医療保険の枠組みが活用された理由は、加入者が多く徴収基盤が整っていることや、既に「後期高齢者支援金」などの拠出金を扱う仕組みが定着しているためです。
被用者保険(会社員など)の場合、支援金率は令和8年度の0.23%を皮切りに、令和10年度まで段階的に引き上げられる計画です。
制度が本格運用される令和10年度の、加入者一人あたりの支援金額(試算)は以下の通りです。なお、この金額は事業主と従業員で折半(半分ずつ負担)することとなります。
年収(目安) | 支援金の月額負担額(試算) |
200万円 | 約350円 |
400万円 | 約650円 |
600万円 | 約1,000円 |
800万円 | 約1,350円 |
1,000万円 | 約1,650円 |
4.実務上のQ&A
Q 徴収開始のタイミングはいつからですか?
A 令和8年4月分からの徴収となります。多くの企業では翌月徴収を行っておられることから5月支給の給与から開始となります。
Q 給与明細で分けて記載する必要がありますか?
A 保険料の内訳として支援金額を示すことまで求められていませんが、本制度が社会全体でこどもや子育て世代を応援する趣旨であることを踏まえて、給与明細にその内訳を記載する取組にご理解・ご協力をお願いします。
Q 育休期間中や産休期間中は支援金が免除されますか?
A 企業の社員については、医療保険や厚生年金保険と同様に支援金も免除されます。
Q 給与だけでなく賞与にも支援金がかかりますか?
A 賞与からも支援金の徴収が必要です。これは、健康保険制度や厚生年金保険制度と同様です。
5.まとめ
「子ども・子育て支援金制度」は、独身の方や高齢者の方も含め、社会全体で子どもたちを育む「社会連帯」の取り組みです。
次世代を担う子どもたちを支えることは、将来の医療や年金制度を守ることにもつながる「未来への投資」でもあります。
少子化が深刻な課題となるなか、若い世代の結婚や出産の希望をかなえ、誰もが安心して子育てができる社会、そして子どもたちの笑顔があふれる社会を、社会全体で作り上げていくことが求められています。
子ども家庭庁 こども・子育て支援金制度について